
フエ|ベトナム最後の王朝が残した世界遺産の街
フエは、ベトナム中部に位置する歴史的な都市で、かつての阮(グエン)朝の首都として知られています。19世紀から1945年までベトナム最後の王朝が置かれたこの地は、王宮や皇帝の廟、仏教寺院などの歴史的建造物が数多く残されており、街全体に静かな荘厳さと気品が漂っています。1993年には「フエの建造物群」としてユネスコ世界遺産にも登録され、文化的価値の高さが世界的にも認められています。
特徴(Features)
フエ王宮(Imperial City)
城壁と堀に囲まれた壮大な王宮は、紫禁城をモデルに建てられたとされるフエの中心的存在。かつての皇帝の居住区や儀式の場が再現されており、歴史ロマンに満ちた空間を散策できます。皇帝廟(Royal Tombs)
フエ郊外には歴代皇帝たちの豪華な陵墓が点在しており、特にカイディン帝廟やトゥドゥック帝廟は見応え抜群。中国とフランスの建築様式が融合した独特の美しさが魅力です。ティエンムー寺(Thien Mu Pagoda)
1601年創建のフエ最古の仏教寺院。香河(ソン川)沿いに建ち、7階建ての塔とその後方に広がる静謐な境内は、訪れる者に癒しを与えます。伝統文化と音楽
フエは宮廷音楽「ニャーニャック(Nhã nhạc)」の発祥地でもあり、これはユネスコの無形文化遺産に登録されています。夜にはドラゴンボートでの音楽演奏を楽しめるツアーも人気です。
食事(Food)
フエの料理は「宮廷料理」と「庶民料理」に大別され、どちらも繊細な味と美しい盛り付けが特徴です。
バインベオ(Bánh bèo)
小皿に載せられた米粉の蒸し餅の上に、エビやフライドオニオンをトッピングした見た目も華やかな一品。ブンボーフエ(Bún bò Huế)
牛肉や豚足を使ったスパイシーなスープに太めの米麺が絡む、フエの代表的なヌードル料理。フォーよりもパンチの効いた味わいが特徴です。ネムルイ(Nem lụi)
レモングラスの茎に巻きつけた豚ひき肉を炭火で焼いたもの。ライスペーパーと野菜で包み、ピーナッツソースでいただく。フエ宮廷料理
精緻な盛り付けと彩りが美しい料理が並ぶコースメニューも観光客に人気。伝統衣装アオザイを着て楽しめるレストランもあります。
アクセス(Access)
空路でのアクセス
フエには「フーバイ国際空港(Phu Bai International Airport)」があります。ハノイやホーチミンからの国内線が毎日運航しており、所要時間は約1時間~1時間半です。鉄道でのアクセス
ベトナム統一鉄道を使えば、ダナンやホーチミン、ハノイからもフエにアクセス可能。フエ駅(Ga Huế)は市街地中心部に近く便利です。車・バスでのアクセス
ダナンからは車で約2~3時間。途中のハイヴァン峠(Hai Van Pass)は絶景ポイントとして有名で、途中下車もおすすめです。