手つかずの自然と静かなビーチが魅力のタイ南部リゾート|クラビ完全ガイド

手つかずの自然と静かなビーチが魅力のタイ南部リゾート|クラビ完全ガイド

アンダマン海に面し、タイ南部に位置するクラビは、石灰岩の奇岩や熱帯ジャングル、透き通った海に囲まれた自然豊かなリゾート地です。プーケットに比べて観光地化が進みすぎておらず、静かに過ごしたい旅行者に人気のスポット。この記事では、クラビの魅力と代表的な観光地、アクセス方法、ベストシーズンまでを詳しく紹介します。

アオナン・ビーチ|クラビの玄関口となる便利なビーチエリア

クラビ観光の拠点として定番のアオナン・ビーチは、アクセスと利便性に優れた人気エリアです。ビーチ沿いにはリゾートホテルやゲストハウス、各国料理のレストラン、カフェ、スパ、ツアー会社などがずらりと並び、観光・滞在・食事のすべてが徒歩圏内で完結します。

ビーチ自体はそこまで広くはありませんが、遠浅の海が広がり、夕暮れ時には空と海が赤く染まるサンセットが絶景。特に乾季(11月~4月)には、波が穏やかでリラックスした時間を過ごせます。

また、アオナンはライレイ・ビーチやピピ諸島、ホン島などへのボートツアーの出発拠点にもなっており、「アイランドホッピング」のスタート地点として最適。日帰りでさまざまな離島を巡るアクティビティの予約も簡単にできるため、アクティブ派にもおすすめのエリアです。

ライレイ・ビーチ|断崖絶壁に囲まれた秘境のビーチ

クラビ本土とは道路でつながっておらず、ロングテールボートでしかアクセスできない半島に位置するライレイ・ビーチ(Railay Beach)は、まさに“秘境”の名にふさわしい特別な場所です。周囲をそびえ立つ石灰岩の断崖に囲まれ、白砂のビーチと透明度の高い海が広がる景観は、まるで映画のワンシーンのような美しさ。

この地形は、ロッククライミングの名所として世界的に有名で、特にトンサイ・ビーチやプラナン・ビーチ周辺では、初心者から上級者まで楽しめる無数のクライミングルートが整備されています。ビーチでのんびり過ごすだけでなく、アクティブな体験を求める旅行者にもぴったりです。

また、ライレイにはリゾートホテルからバンガローまで多様な宿泊施設が点在しており、自然に囲まれた静かな時間を楽しめます。夕暮れ時には断崖のシルエットが空に映え、静かな海辺に幻想的な雰囲気が漂います。日帰りでも訪れられますが、1泊してこそ味わえる静寂と自然美があります。

ピピ諸島|透明な海と珊瑚礁の世界へ日帰りでアクセス

クラビやアオナン・ビーチからスピードボートで約45分、アンダマン海に浮かぶ楽園・ピピ諸島(Phi Phi Islands)は、日帰りでも訪れられる絶景のアイランドリゾートです。6つの島からなる群島で、なかでも有名なのが映画『ザ・ビーチ』の舞台となったピピ・レイ島のマヤベイ。現在は自然保護のため入場規制があるものの、美しい入江を間近で眺めることができます。

一方、ピピ・ドン島は宿泊施設やレストランが集まり、旅行者の拠点となる賑やかなエリア。ピピ諸島全体では、シュノーケリングや体験ダイビングなどのマリンアクティビティが豊富で、透明度の高い海中にはサンゴ礁とカラフルな熱帯魚が広がります。

ツアーの多くは、バンブー島やモスキート島などの無人島を巡るアイランドホッピング形式で、どの島もそれぞれ異なる魅力を持っています。海の美しさを満喫したいなら、クラビ滞在中にぜひ1日はピピ諸島へのツアーにあてたいところです。

タイガー・ケーブ寺院|1,200段の階段の先に広がる絶景

クラビ市街から車で約30分、ジャングルの中にひっそりと佇むタイガー・ケーブ寺院(Wat Tham Suea)は、スピリチュアルな雰囲気とアクティブな登頂体験が一体となったクラビ屈指の名所です。その名の由来は、かつてこの地にトラが住んでいたという伝説と、岩肌に残る虎の足跡のような模様から来ています。

最大の見どころは、頂上の仏塔まで続く1,237段の急な石段。足場は不規則でかなりの体力を要しますが、登りきった先にはクラビの街並みや石灰岩の山々、アンダマン海まで一望できる360度のパノラマが待っています。日の出や夕暮れ時に訪れると、静寂の中に広がる神秘的な景色に心が洗われるような感覚を覚えるでしょう。

道中では野生のサルに出会うこともありますが、バッグを狙ってくることがあるため注意が必要です。飲み物は必携、登頂には動きやすい服装と靴がおすすめです。

心身ともに清められるような体験ができるこの寺院は、観光地でありながらもタイ仏教の敬虔な空気が色濃く残る特別な場所です。

エメラルドプールと天然温泉|森の中の癒しスポット

クラビ内陸部、クラビ・タウンから車で約1時間の距離に位置する「エメラルドプール(Sa Morakot)」は、緑豊かな熱帯雨林に囲まれた神秘的な天然プールです。透明度の高い翡翠色の水面は、陽の光を受けてエメラルドのように輝き、訪れる人を魅了します。プールまでの遊歩道は片道20~30分ほどの軽いトレッキングコースになっており、ジャングルの自然を楽しみながら進むことができます。

エメラルドプールの近くには、天然の温泉「クロン・トム温泉(Klong Thom Hot Springs)」もあり、こちらは小さな滝のように岩場を流れ落ちる温泉に身体を浸すことができます。湯温は約35~40℃と心地よく、地熱の恵みを肌で感じるリラクゼーション体験が楽しめます。入浴できる箇所は浅く、長湯には不向きですが、自然に包まれながらのひとときは格別です。

観光地としての混雑も少なめで、静かに自然との一体感を味わいたい人におすすめ。ビーチリゾートとは異なる、クラビのもうひとつの魅力を体験できる癒しのスポットです。

アクセス情報|飛行機やバスでのクラビへの行き方

クラビはタイ南部の人気観光地のひとつで、国内外からのアクセスが年々向上しています。主要都市からの移動手段は以下の通りです。

飛行機でのアクセス

バンコク(スワンナプーム空港またはドンムアン空港)からクラビ国際空港(KBV)までは、LCCを含む複数の航空会社が毎日運航しており、所要時間は約1時間20分。タイ・エアアジアやバンコク・エアウェイズ、タイ・ライオンエアなどが主要路線を担っています。クラビ空港到着後は、アオナン・ビーチやクラビ・タウンまでは車で約30~40分。空港シャトルバスやミニバン、タクシーが利用可能です。

陸路+フェリーでのアクセス(プーケット方面)

プーケットからクラビへは、車で移動するルートが一般的。直行バスで3~4時間程度、アオナンやクラビ・タウンまで行くことができます。また、ピピ諸島経由のフェリーやスピードボートを使って海路でアクセスすることも可能です(乾季のみ運航の路線あり)。

その他の都市からのアクセス

チェンマイ、ハジャイ、ウボンラチャタニーなど地方都市からの直行便も運航されており、国内移動の利便性は高め。さらに、シンガポールやクアラルンプール、クアンタンなど東南アジアの主要都市からも直行国際便が就航しており、特に乾季(11月~4月)はアクセスが集中します。

バスでのアクセス

バンコク南バスターミナル(Sai Tai Mai)からは長距離バスも利用可能で、所要時間は約10~12時間。夜行バスなら、朝方にクラビ・タウンへ到着します。費用を抑えたいバックパッカーや長期旅行者におすすめの選択肢です。

ベストシーズン|乾季の11月~4月が狙い目

クラビ観光のベストシーズンは、乾季にあたる11月~4月。気温は日中で30~33℃程度と高めですが、湿度が比較的低く、天候は安定して晴天の日が続きます。この時期は海の透明度も高く、アイランドホッピングやシュノーケリング、ロッククライミングといったアウトドア・アクティビティには最適な季節です。

特に12月~2月はヨーロッパなどからの旅行者も多く、クラビ全体が観光ハイシーズンとなります。ホテルや人気ツアーは早く満室・満席になることが多いため、事前の予約は必須です。また、航空券の価格も高騰しやすいので、旅程を決めたら早めの手配がおすすめです。

一方で、5月~10月は雨季にあたり、短時間のスコールが頻繁に降る時期です。ただし、1日中雨が続くことは少なく、雨季ならではの静けさや緑豊かな風景、オフシーズン価格のホテルを楽しめるというメリットもあります。混雑を避けたい方や自然派の旅行者には、あえてこの時期を狙うのも一案です。

まとめ|静かで自然豊かなクラビは、次の旅にぴったりの場所

派手さはないけれど、クラビには日常の喧騒を忘れさせてくれる癒しと冒険の両方があります。静かなビーチで過ごしたい人、自然の中でリフレッシュしたい人、タイのもう一つの顔を見てみたい人に、クラビは間違いなくおすすめの目的地です。

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