ジャカルタから船で行ける楽園|プロウスリブ(セリブ諸島)で出会う海と自然のリゾート体験

ジャカルタから船で行ける楽園|プロウスリブ(セリブ諸島)で出会う海と自然のリゾート体験

インドネシアの首都ジャカルタから気軽にアクセスできる美しい島々「プロウスリブ(Pulau Seribu)」。その名の通り“千の島”と呼ばれるこのエリアには、白砂のビーチ、透明度の高い海、サンゴ礁に囲まれた楽園が広がります。日帰り旅行からリゾート滞在まで、さまざまな楽しみ方ができるプロウスリブの魅力を、代表的な島々やアクティビティとともに紹介します。

アクセスしやすい秘境、プロウスリブとは?

プロウスリブ(Pulau Seribu)は、インドネシアの首都ジャカルタ北部、ジャワ海に点在する島々の総称で、文字通り「千の島々」という意味を持ちます。実際には大小あわせて約110~340の島々から構成されており、うち36島が観光・居住・リゾート地として利用可能です。

このエリアは、都会ジャカルタから日帰りでアクセスできる数少ない海洋リゾートとして人気が高く、美しい自然と手つかずのサンゴ礁が広がる、まさに“アクセスしやすい秘境”です。


プロウスリブへのアクセス|ジャカルタ中心部からスムーズな移動

プロウスリブへのアクセスは非常に便利で、以下の2つの港から定期的に船が運航しています。

  • アンチョール港(Pelabuhan Marina Ancol)
    ジャカルタ中心部からアクセスしやすく、高速船が多く発着する主要ターミナル。観光客向けの整備も進んでおり、最も利用されているルートです。

    • 所要時間:近場のリゾート島まで約30~60分(例:プラウ・ブダ、プラウ・パリ)

  • スンダ・クラパ港(Pelabuhan Sunda Kelapa)
    歴史ある港湾で、ローカル向けのフェリーも多く発着。料金は安めですが、やや所要時間は長めです。

    • 所要時間:中~遠距離の島で1.5~2時間(例:プラウ・ペヤンゲン、プラウ・パナイトゥン)

※訪問する島によって、交通手段や所要時間が大きく異なるため、事前の確認が必須です。

千の島々海洋国立公園|自然と共生するエコリゾート

プロウスリブの一部は「千の島々海洋国立公園(Taman Nasional Laut Kepulauan Seribu)」に指定されており、自然保護の対象となっています。ここでは、美しいサンゴ礁や熱帯魚、マングローブ林などが保護されており、ダイビングやシュノーケリング、カヤックといったエコツーリズムが盛んです。

  • 特に有名な島々:

    • プラウ・ティドゥン(Pulau Tidung)
      木製の長い橋「Jembatan Cinta(愛の橋)」が有名で、島内を自転車で巡れるのが魅力。地元の人々との交流も楽しめます。

    • プラウ・マカン(Pulau Macan)
      サステナブルなエコリゾートが整備された島で、ヨガリトリートやヴィーガン志向の観光客にも人気です。

    • プラウ・ハロン(Pulau Harapan)
      ダイビングやスノーケリングの拠点として有名で、ウミガメ保護プロジェクトも行われています。

    • プラウ・プトゥリ(Pulau Putri)
      家族連れやカップルに人気の高級リゾート島で、水中トンネルから海中を眺められる「海中水族館」があります。

    • プラウ・パンタラ(Pulau Pantara)
      比較的遠くに位置するため透明度の高い海が保たれており、静かに過ごしたい旅行者に最適。リゾート施設も充実しています。

    • プラウ・セパ(Pulau Sepa)
      ダイビング初心者から中級者に人気の島。白砂のビーチと珊瑚礁の美しさが魅力で、海洋スポーツの設備も整っています。

プチリゾートから大自然まで、多彩な楽しみ方

プロウスリブでは、日帰りツアーや1泊2日のショートリゾート、ダイビング合宿など多彩な楽しみ方が可能です。特に週末にはジャカルタ在住者にとって人気の「週末アイランド・ゲートウェイ」として親しまれています。

人気の島①|ティドゥン島 ― サイクリングでめぐるローカルと絶景の島旅

ティドゥン島(Pulau Tidung)は、プロウスリブの中でもアクティブ派やローカル体験を求める旅行者に人気のスポットです。島は「大ティドゥン(Tidung Besar)」と「小ティドゥン(Tidung Kecil)」の2つに分かれ、両者は美しい木造橋「Jembatan Cinta(愛の橋)」で結ばれています。

地元の人々が暮らす生活感あるエリアと、静かに自然が残るエリアが共存する島は、観光と素朴さのちょうどよいバランスが魅力です。

サイクリングで島を縦断|自由な一日を楽しむ

ティドゥン島の人気の過ごし方は、レンタサイクルで島内を自由に走るサイクリング旅。島の端から端まで30分ほどで回れるコンパクトさながら、途中にはビーチ、村、マングローブ林など、見どころが点在しています。

特に「Jembatan Cinta(愛の橋)」では、透き通った海と木造のアーチがフォトジェニックな景観をつくり出し、島一番の映えスポットとして知られています。

シュノーケリング・バナナボートも気軽に

海の透明度も高く、シュノーケリングやバナナボート、ジェットスキーなどのマリンアクティビティも手軽に楽しめます。設備の多くはローカル経営のため、料金もリーズナブルで、気取らない雰囲気で自然を満喫できます。

ローカル文化とふれあう島旅

ティドゥン島では、観光客向けに過度に演出されたリゾート感ではなく、地元の子どもたちの笑顔や素朴な商店街、島の手作り料理など、日常と旅が交差するあたたかな空気が魅力。

民宿(Homestay)タイプの宿も多く、ローカルの暮らしに近い滞在体験ができるのもこの島ならではの楽しみ方です。

こんな人におすすめ

  • 島をアクティブに散策したい

  • リーズナブルにマリンアクティビティを楽しみたい

  • ローカルの人々と自然な形でふれあいたい

  • 島らしい“映えスポット”を写真に残したい

人気の島②|マカン島 ― エコ×ラグジュアリーを体現するサステナブル・アイランド

プラウ・マカン(Pulau Macan)は、プロウスリブの中でもひときわ個性的で、サステナブル志向の旅行者に選ばれているエコ・ラグジュアリーリゾート。ジャカルタから約90分、喧騒を離れてたどり着くこの島では、ただ滞在するだけで「自然と共に生きる」感覚が深く味わえます。

海に開かれたオープンヴィラで過ごす、静かな贅沢

マカン島の宿泊施設は、海風が通り抜ける開放型のヴィラやコテージ。電気や水は太陽光や雨水を活用し、廃棄物もできる限り自然に還すシステムが導入されています。

それでいて、寝心地の良いベッドやテイストのあるインテリアなど、ナチュラルと快適の絶妙なバランスが心地よく、国際的なエコ志向の旅行者から高い支持を集めています。

目の前の海で楽しむ、静かなアクティビティ

島の目の前に広がる浅瀬では、シュノーケリングやカヤック、パドルボードなど、静かで環境にやさしいマリンアクティビティが充実。熱帯魚やサンゴ礁がすぐ近くにあり、海に潜るたびに癒しと驚きが待っています。

また、サンセットタイムにはビーチに寝転びながら瞑想やストレッチを楽しむゲストも多く、心身を整える場所としても理想的です。

国籍も世代も超える「つながる島」

マカン島では、食事も魅力のひとつ。リゾート内のダイニングでは、地元食材を活かしたヘルシーなビュッフェが提供され、ヴィーガンやベジタリアン対応も充実。食事時間は他のゲストとの交流の場にもなっており、世界中から集まった感度の高い旅行者たちとの出会いも刺激的です。

こんな人におすすめ

  • 自然にやさしい滞在を大切にしたい

  • エコと快適さの両立を求めている

  • 海の目の前で静かに読書や瞑想を楽しみたい

  • 世界中のエコ志向の人たちと交流してみたい

人気の島③|ハロン島 ― ローカルの温もりと海洋保護が息づくサンゴの島

プラウ・ハロン(Pulau Harapan)は、プロウスリブの島々の中でも、素朴さと海の豊かさが共存する“ローカルとつながる島”。名前の「Harapan」はインドネシア語で“希望”を意味し、その名の通り、人と自然が未来へつなぐ希望の場所として、訪れる人々の心を温かく迎えてくれます。

サンゴ礁の楽園でエコツーリズム体験

ハロン島周辺の海域は、プロウスリブの中でも特にサンゴの保全状態が良く、多様な海洋生物が生息するシュノーケリング&ダイビングの名所。魚の種類も豊富で、初心者から経験者まで幅広く楽しめるスポットが点在しています。

また、近隣の小島(プラウ・ペルマタ、プラウ・グスンなど)へのアイランドホッピングも人気。透明度の高い遠浅の海で、素足で砂を感じながらのんびりと過ごす時間は格別です。

ウミガメ保護や植樹活動にも参加できる

ハロン島では、地域ぐるみで海洋保護に取り組む姿勢が強く、観光客もその一部として関われるのが特徴です。
ウミガメの孵化・放流体験、ビーチクリーン、マングローブ植林といったエコツーリズム・プログラムが用意されており、ただの「消費型観光」にとどまらない、自然に恩返しする旅が実現できます。

ローカルとのふれあいも旅の醍醐味

ハロン島は、観光専用のリゾート島ではなく、住民が暮らす“生活のある島”。小さな商店や民宿、手作りのワルン(食堂)などが立ち並び、旅人と島民の距離が近いあたたかな空気感が魅力です。

民宿ではシンプルながらも清潔な部屋が用意され、ローカルフードを囲みながら島の暮らしに溶け込むことができます。

こんな人におすすめ

  • 海洋保護やエコツーリズムに関心がある

  • ローカルとのふれあいを重視する

  • シュノーケリングやアイランドホッピングを楽しみたい

  • 自然の中で“学びある旅”をしたい

人気の島④|プトゥリ島 ― 透明度抜群の海で手軽にシュノーケリング体験

プトゥリ島(Pulau Putri)は、プロウスリブ諸島の中でも特に人気の高いリゾートアイランドのひとつ。ジャカルタのアンチョール港からスピードボートで約90分と、日帰りも可能な距離にありながら、驚くほど美しい海と自然に囲まれた環境が広がっています。

島の周囲にはサンゴ礁が点在しており、透明度の高い海ではシュノーケリングやダイビングが初心者でも気軽に楽しめるのが魅力。ビギナー向けのツアーやレンタル機材も充実しているため、手ぶらで訪れても本格的なマリンレジャーが体験できます。

見どころ|海に潜らず楽しめる「海中水族館」

プトゥリ島のもう一つの大きな魅力が、海底トンネル型の「海中水族館(Undersea Tunnel Aquarium)」です。透明なトンネル内を歩きながら、サンゴや熱帯魚、ウツボなどの海洋生物を間近に観察できるこの施設は、ダイビングをしない人やお子様連れにも大人気。天候に左右されずに楽しめるため、悪天候時のアクティビティとしても好評です。

宿泊施設とリゾート環境

島内には清潔で快適なバンガロータイプの宿泊施設が整備されており、自然と一体化したリゾート体験を楽しむことができます。星空の下でのんびり過ごす夜や、朝の静かなビーチ散歩など、日常を忘れるひとときを過ごせるのもプトゥリ島ならではの魅力です。

人気の島⑤|パンタラ島 ― 「JAL島」とも呼ばれる静寂の高級リゾート

パンタラ島(Pulau Pantara)は、プロウスリブ諸島の中でも特に洗練されたリゾート体験ができる島として知られています。かつて日本航空(JAL)が開発したことから、今でも「JAL島」という愛称で親しまれ、特に日本人や欧米からの観光客に高い人気を誇っています。

洗練された施設と充実のホスピタリティ

島全体がひとつのリゾートとして運営されており、清潔でモダンなコテージタイプの宿泊施設や、海を望むレストラン、整備されたプライベートビーチなど、落ち着いた滞在を求める大人の旅行者に最適な環境が整っています。リゾート内では英語対応のスタッフも多く、インターナショナルな雰囲気が漂います。

ダイビング・スノーケリング天国

パンタラ島の周囲には手つかずの自然が広がり、サンゴ礁や透明度の高い海には色鮮やかな熱帯魚が群れをなし、運が良ければウミガメにも遭遇できます。ダイビングやスノーケリングのスポットとしても非常に評価が高く、静かな海でのアクティビティを楽しみたい人には理想的なロケーションです。

こんな人におすすめ

  • 喧騒から離れて静かに過ごしたい

  • カップルや夫婦でのんびりとした時間を楽しみたい

  • 日本語や英語の通じやすい場所を選びたい

  • 自然と快適な宿泊環境の両方を重視したい

人気の島⑥|セパ島 ― 自然に癒されるナチュラルステイの楽園

セパ島(Pulau Sepa)は、プロウスリブ諸島の中でも特に自然と調和した滞在が楽しめる“癒しの島”として知られています。都市化や商業化の波から距離を置いた、素朴で静かな雰囲気が特徴で、リゾート慣れした旅行者や、自然の中でゆったり過ごしたい人にぴったりのスポットです。

エコロッジで過ごす島時間

島内の宿泊施設は、自然素材を活かしたエコロッジ風コテージが中心。クーラーではなく潮風を感じる設計や、木のぬくもりに包まれる室内が心地よく、自然の中に“住む”ような体験ができます。
Wi-Fiやテレビなどの設備は最小限に抑えられており、本来の自分に戻る時間を過ごしたい人に理想的な環境です。

アクティビティ|「何もしない贅沢」と自然体験

セパ島では、観光地によくある派手なマリンアクティビティよりも、素朴で穏やかな体験が主役。

  • 穏やかな海での釣り体験

  • 白砂のビーチで行うビーチヨガや瞑想

  • 木陰での読書タイムや浜辺の昼寝

  • 簡易的なシュノーケリングで海の世界をのぞく

耳をすませば、波の音や風に揺れるヤシの葉のざわめきがBGMとなり、五感で自然を味わうスローな時間が流れます。

環境保護意識の高い島

セパ島では、使い捨てプラスチックの削減自然保護活動への参加型ツアーなど、環境に配慮した取り組みも実施されています。エコ志向の旅行者から高い支持を集めているのも納得です。

こんな人におすすめ

  • デジタルデトックスをしたい

  • ナチュラル志向の旅を求めている

  • 自然の中で心身をリセットしたい

  • 静かな環境で本を読んだり、自分と向き合いたい

保護された自然と文化|ウミガメの楽園と「オラン・プロウ語」が残る島々

プロウスリブの一部は、インドネシア政府によって「千の島々海洋国立公園(Taman Nasional Laut Kepulauan Seribu)」に指定され、生態系の保護と持続可能な観光の共存が進められています。
特にパジャリラン諸島(Pulau Pajjaringan)やその周辺では、ウミガメの保護活動が積極的に行われており、孵化場(ハッチェリー)では卵の保護から放流までのプロセスを見学・体験することができます。

このようなプログラムは、親子連れの旅行者にも好評で、子どもたちに自然環境や命の大切さを伝える“体験型の環境学習”の場としても最適です。

地元の言葉と暮らしに触れる|オラン・プロウの文化

プロウスリブには、「オラン・プロウ(Orang Pulau)」と呼ばれる島嶼地域の住民たちが暮らしており、彼らは独自の生活文化とアイデンティティを守り続けています。
彼らが日常的に話すのは、マレー語をベースにした独自の言語「バハサ・オラン・プロウ(Bahasa Orang Pulau)」で、文法や語彙に地域特有の変化が見られることから、言語学的にも非常に興味深い存在です。

また、漁業や手工芸、信仰行事など、昔ながらの島の暮らしが今も息づいており、観光客が民宿に泊まったり、村を散策したりすることで、その文化を肌で感じることができます

プロウスリブ旅行のアドバイス|快適で安全な島旅のために

プロウスリブ諸島は、ジャカルタから手軽にアクセスできるリゾートとして人気ですが、島ならではの準備や注意点を押さえておくと、より快適に楽しむことができます。以下のアドバイスを参考に、思い出に残る旅を計画しましょう。

日帰りでも宿泊でもOK|滞在スタイルは自由に選べる

プロウスリブの島々は、最も近い島でジャカルタからスピードボートで約30分、遠くても2時間前後とアクセス良好。

  • 日帰り旅行:時間が限られている人には、プトゥリ島やティドゥン島などの近場が人気。アクティビティ中心でサクッと楽しめます。

  • 1泊以上の滞在:パンタラ島やマカン島のような宿泊型リゾートでは、ゆったりとした滞在が可能。サンセットや夜の星空も魅力です。

持ち物の準備をしっかりと

島では商店やコンビニが限られているため、必要なものはジャカルタ出発前にしっかり準備しましょう。

必須アイテム:

  • 水着・タオル・ラッシュガード(マリンアクティビティ用)

  • 日焼け止め(強い紫外線対策に)

  • 飲料水(熱中症予防)

  • サンダル(砂浜用と施設内用の2種類あると便利)

  • 酔い止め薬(船酔いしやすい方は特に)

  • 小額の現金(島ではクレジットカードが使えない場合あり)

パッケージツアーの活用で安心&便利

初めてのプロウスリブ旅行なら、旅行会社やオンライン予約サイトのパッケージツアーを利用するのもおすすめです。

  • 高速船の往復送迎

  • 昼食やアクティビティ込みのプラン

  • 安全管理やガイド付きのサポート

これらがセットになっているため、トラブルを避けてスムーズに楽しめます。特にグループ旅行や子ども連れには安心です。

都市の喧騒を離れて、海に癒される一日を

ジャカルタから最も近い“リゾート”とも言えるプロウスリブ。船に揺られてたどり着いた先には、都会の喧騒とは無縁の、美しい自然が広がっています。ぜひ、次のインドネシア旅行ではプロウスリブへの小さな旅を計画してみてはいかがでしょうか。

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